興味を持てる方法を探す

記憶するのが得意な子もいるんだろうけれど、とにかくお父さんは苦手だった。ざっくりなんとなく覚えてるんだけど、正確に覚えることが大変に大変に苦手だった。
小学生の頃だったと思う。田舎の家で夏に障子を貼り替えながら、おばあちゃんが「英語の辞書を最初から最後までまるごと覚えたけど、東京大学に合格しなかった人の話」をしてくれた。覚えることだけでは何かが足りないんだ、覚えること自体にはたいした意味はないんだ、ということを考えはじめたのは、これがきっかけだった。
苦労せずに憶えて、それを自在に使えるときってどんなときだ??? と考えはじめた。
例えば。ポケモンが大好きだったら、ポケモンの種類は全部言えて、何がどう進化するかスラスラ言えるようになるやん。そのポケモンがどのあたりの何時ごろに出てくるか頭に入れてゲームできるやん。えー、大人には無理です。そんなに興味ないから。子どもにはできます。めっちゃ好きで興味あるから。
これが、脳みそを使うときのコツ。興味を持つこと。もしも興味が持てないなら「自分が興味を持てる方法を見つける」こと。ぜんぶこれでいけます。

興味を持てるやりかたを、探そう。

字の本を読む

字の本を読めとは、ほかでもさんざん言われているだろう。その意味、意義についても、この秘伝書の他のところで話した。今回は別の切り口でいこう。本はとにかくたくさん読め。「たくさん」本を読む究極の目的は何か?
それは、自分自身を知ることだ。
読みながら考えを深めて知ることもあるのかもしれない。人に説明することで自分自身を発見することもあるかもしれない。けれども。いちばん自分自身を発見するのは、本棚に並んだ背表紙を眺めるときだ。
お父さんの場合だと、「王様棚」というところがあって、ここには本当に気に入った本だけを並べている。その他のスペースは「子どもたちに勧めたい」本の置き場。そこからあふれた本はどんどん人にあげたり売ったり捨てたりしてる。つまり本棚には「浮かんだバターをすくうように」自分の考えや好みにあったものだけが残ってるのだ。
だから、本棚は自分の鏡みたいなものだとほんとうに、思う。それから、時間とともに、好みや考えが移ろっていく様もよくよくわかって、これまた大変におもしろい。
本は大量に読め。そして、捨てろ。

コンピュータに詳しくなる

パソコン、スマートフォンiPad、それにあれやこれや。一括りにまとめたら「IT機器」とまとめられるあれやこれやに詳しくなることはこれからの時代には必須である。それは、パソコンぐらいできないと就職できないとか、新しいものについていかないと取り残されるという根拠薄弱な劣等感とは全く関係がない。
詳しくなるべき理由はただひとつ、機械が得意なことは何で、機械が苦手なことは何か、を自分の肌感覚で持っておくためである。それが自分できちんとわかってさえいれば、自分自身がコンピュータが得意であっても得意でなくてもどっちでもいい。
ちなみに、Facebookのプログラムコードはぐちゃぐちゃだけれども世界で一番人気のあるサービスを提供している。ビル・ゲイツのコンピュータの得意度合いはそれほどではないけれど、物凄く「好き」だし、コンピュータになにをさせるべきかについて大きく精緻な構想を描いて、世界一のお金持ちになった。スティーブ・ジョブズは機械についてはさらに詳しくないが、これから人間がなにをすべきで、そのために機械になにをさせるのかについて、世界一はっきりわかっていて、そして、世界を変えつつある。
コンピュータには、詳しくなっておこう。

はじめに

息子と娘たちに。

中学校ではろくに勉強というものをした覚えがない。高校では多少勉強した気もするけれども、今から思えばかなり常識はずれな「他の誰からもそんな方法聞いたことないわ」というようなやりかたでやっていたことが、大きくなってだんだんとわかるようになってきた。自分勝手流ではあるのだけれども、だからといってめちゃくちゃではなく、結局は合理的な、きちんとした方法でやっていたように思うのだ。

いよいよ中学受験の準備がはじまり、進み具合をみていると、お父さんが思っていた以上に、ここまでのところは狙いがはまっているように思った。もしそうだとすれば、基本的な考えかたはやっぱり結構ちゃんとしてるんじゃん、と意を強くして、これを機会に勉強の方法論を残しておこうかと思った次第。

よくよく考えてみれば、デキる子のための勉強法ってなかなかないのだ。デキる子がそもそもそんなにいないからね。デキる子にあわせて先生が堂々と教えてくれることも少ない。けれども、きっと不憫に思うんだろうな、お父さんのそれぞれの先生たちが、それぞれの方法で、いろいろなコツを教えてくれた。お父さんのお父さんやお母さんが、また、それぞれのノウハウを教えてくれた。お父さん自身が読んだ本で学んだことも、体験から学んだこともたくさんある。

そのほとんどは家のなかで話し、家のなかで使われてきた。そんなあれやこれやをE田流秘伝書としてここに残す。でもまとめて全体を示したことはなかった。読めば、だれにとっても役に立つのは間違いない。

デキる子に焦点をあわせているので、おそらく全体の20%ぐらいは、デキる子でもすぐにはわからないと思う。多分もっと時間をかけてわかっていくべきものなのだ。逆に、特にデキる子でなくても、10%から20%ぐらいはおもしろく読めるような塩梅で書いている。

本文のなかにも(きっと)書くことになるだろうけれど、学ぶことについての黄金律のひとつは「勉強ができる人ほど、勉強法を学ぶ。できない人はまず、勉強法を学ぶことがない。ってか、そんなものがあることさえ想像しない」である。ここを読んでいる時点ですでにデキる子集団の入り口に立っている。ぜひ読み進めてほしい。

目次

E田流秘伝 デキる子のための勉強法

英語をやる、目的をかんがえること
興味が持てるようにやる
人と違うタイミングでやる
少しだけはやくやる、論語
英単語をおぼえない
記憶力をつかわない
先生を信じない
学校を信じない
自分を信じる
謙虚になる
片付ける
机の上にものをおかない
字の本を読む
長編を読む
料理をする
厚みをつくる/意識する
読書録、映画録をつくる
映画をみる
テレビをやめる
良い言葉を使う
素朴に考える
人生の目的を知る
いろいろな人がいることを知る
出し惜しみしない
努力する、努力の意味を知る
喜んでノートのコピーはさせてあげる
知っていることを教えてあげる
背伸びする
熱中する
身体を鍛える
女の子が正しいと思ってみる
100%信じる
身体を痛めてみる
寝る
ウィザードリィで英語を覚えた
なぜかわからないけど強烈に魅かれるものに浸かる
全然違うことをしてみる、頭の体操
一夜漬けをしない
先生の言うことは試してみる
それぞれの方法があることを知る
寝かたについて考えをもつ
その場限りの勉強をしない
勉強方を勉強する

■ ■ ■
コンピュータに詳しくなる

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