はじめに

息子と娘たちに。

中学校ではろくに勉強というものをした覚えがない。高校では多少勉強した気もするけれども、今から思えばかなり常識はずれな「他の誰からもそんな方法聞いたことないわ」というようなやりかたでやっていたことが、大きくなってだんだんとわかるようになってきた。自分勝手流ではあるのだけれども、だからといってめちゃくちゃではなく、結局は合理的な、きちんとした方法でやっていたように思うのだ。

いよいよ中学受験の準備がはじまり、進み具合をみていると、お父さんが思っていた以上に、ここまでのところは狙いがはまっているように思った。もしそうだとすれば、基本的な考えかたはやっぱり結構ちゃんとしてるんじゃん、と意を強くして、これを機会に勉強の方法論を残しておこうかと思った次第。

よくよく考えてみれば、デキる子のための勉強法ってなかなかないのだ。デキる子がそもそもそんなにいないからね。デキる子にあわせて先生が堂々と教えてくれることも少ない。けれども、きっと不憫に思うんだろうな、お父さんのそれぞれの先生たちが、それぞれの方法で、いろいろなコツを教えてくれた。お父さんのお父さんやお母さんが、また、それぞれのノウハウを教えてくれた。お父さん自身が読んだ本で学んだことも、体験から学んだこともたくさんある。

そのほとんどは家のなかで話し、家のなかで使われてきた。そんなあれやこれやをE田流秘伝書としてここに残す。でもまとめて全体を示したことはなかった。読めば、だれにとっても役に立つのは間違いない。

デキる子に焦点をあわせているので、おそらく全体の20%ぐらいは、デキる子でもすぐにはわからないと思う。多分もっと時間をかけてわかっていくべきものなのだ。逆に、特にデキる子でなくても、10%から20%ぐらいはおもしろく読めるような塩梅で書いている。

本文のなかにも(きっと)書くことになるだろうけれど、学ぶことについての黄金律のひとつは「勉強ができる人ほど、勉強法を学ぶ。できない人はまず、勉強法を学ぶことがない。ってか、そんなものがあることさえ想像しない」である。ここを読んでいる時点ですでにデキる子集団の入り口に立っている。ぜひ読み進めてほしい。