【B86】考える脳 考えるコンピュータ(ジェフ・ホーキンス他)★★まあまあ
- 作者: ジェフ・ホーキンス,サンドラ・ブレイクスリー,伊藤文英
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: 単行本
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ハンドヘルドコンピュータの「Palm」を作った著者の第2のライフワーク。
・結果:
●脳の仕組みが予測ベースになっているというのはおもしろかった。
どうやって実装するのか、想像つかないのだけれども。
ニューラルネットの実装でもじゅうぶん面倒くさかったもんなあ。
自前で研究所を作って、着々と研究しているそうなので、期待が高まる。
●人工の「新皮質」に限って議論しているところが明快で良く、
それが半導体上に実装できればどういう可能性があるのか描いている
あたりもおもしろかった。たしかにこりゃええわ〜という感じ。
「フューチャリスト宣言」(梅田望夫、茂木健一郎)で話題になっていた
「グーグルを越える」可能性があるとすれば、その1つは「考えるコンピュータ」か?
グーグルのベースとなるスタンスは「人工知能をありがたがらない」なので、
「考えるコンピュータ」が出てきたら、さすがにグーグルも飲み込みきれないかもしれない。
●脳の仕組みは予測ベースだとして、予測を学習するのが脳の基本機能だとすると、
なぜ人はみんな等しく「錯覚」を起こすのだろうか?
学習に対して方向性なり、制約条件なりがあるのだろうか?
●マインドマップは「ニューロンをモデル化した」と説明されることが多くて、
つい「嘘つけー、いいかげんなこと言うなー」と思ってしまうのだけれども、
脳の学習におけるレイヤー構造をマッピングしているのだと思うと、
とてもよくわかってしっくりくる。